11/25(日)出町座でのスペシャトークのメモ&覚え書き その1

 

登壇者紹介

・石田祐康監督(以下、監督)

・間崎渓さん(以下、間崎氏)

主に夏休み(ミュージックパートと呼んでいた)とジャバウォックを担当

 

・村山正直さん(以下、村山氏)

「フミコの告白」の言いだしっぺ。大学の4年間をrain townに捧げる心積もりだった監督の部屋(四畳半)におしかけ、どっかりと居座り監督を説得。監督、折れる。しかし製作途中で離脱。ゆえにクレジットに名前がない。

村山氏「クビにされた」監督「方針が合わず、去っていった」

 

上田誠さん(以下、上田氏)

ほぼ一年ぶりの再会。「すばらしい脚本のおかげで・・・」と恐縮しきりの監督と「いやいやそんなことは」と恐縮の応酬。座談会は主に上田氏がネタをふり監督がメインで答え、村山氏と間崎氏が補足・突っ込みという流れ。

 

・上田氏との出会いは?

監督「精華大学時代に四畳半神話体系みてました。めちゃすごいと思いました。サマータイムマシン・ブルースにも圧倒されました」

 

・間崎氏、村山氏「監督はちゃぶ台がえしするので困る」

上田氏「監督の特権だね」

監督「ジャバウォック登場シーンは、画面奥から手前に向けて走ってくる動作を予定して、手足の動きなどいろいろ研究しながら描いてもらっていたんだけど、最終的には横から出てきて画面を横切る形になりました」

 

・上田氏「3人はどうだった?学校の中でもトップを争う3人だったの?」

監督「学校には何か作り上げてやろうと入ってきた人もいれば、なんとなく来てしまったという人に大別できる。この二人はやる気があるグループの中でも目立っていた」 

間崎氏、村山氏「監督が(課題などで)提出する製作物などは当時から飛びぬけていた。すごいやつがいるなあと思っていた」

 

・上田氏「脚本家は野球でいうとキャッチャーだと思う。どんな監督がムチャな球を投げてもがんばって受け止めて返す。でも石田監督は違ってた。こっちが原作を離れた提案をしても ”原作どおりいきます” って」

 

・上田氏「”ボクは、しつこい”の表情、こだわったよね?」

監督「アオヤマ君の表情がこう・・・ぐぅーっと気張るかんじがなかなか出てこなくて。しつこくやりなおしました」

 

・スズキ君の時間旅行は早い段階で入れることを断念していたけれど、代わりにコバヤシ君に時間旅行をさせるという案もあった。これなら(脚本の流れ的に)なんとかねじ込めるのではないか、と。

 

・上田氏「お姉さんとハマモトさんのチェス対決させたかったよね」

監督「あれは本当にかなりの段階まで制作が進んでたんですけれど、最終的に断念しました」

 

・上田氏「原作の森見さんもかなり苦労して試行錯誤して書き上げたので未整理なところもある。連載時は”海”が存在してなくて、単行本へのリライトで付け加えられた」

 監督「原作は情報量が多いのでこのまま作るわけにはいかなかった。上田さんが見事に原作の要素を整理してシーンをまとめあげてくれた」

上田氏「あれは言われるほどの苦労ではなかった。原作の特に中盤はあっちこっち行ったりきたりしてるけど、”絵変わり”がしない(同じ舞台が繰り返しでてくるという意味か?)。そういうシーンはまとめやすい」

 

・監督「120分のカベがあった。劇場にかける回数、ひいては興行成績に直結する要素なのでそこは厳然と譲れないカベだった。」

 

 

( 2018.11.27. 監督がジャバウォックの説明をする部分を加筆